子宮頸がん予防ワクチン

2010年1月28日

 子宮頸がんは婦人科領域のがんの中で乳がんに次いで発症率が高いがんです。
日本では毎年8000人以上の浸潤がん(進行した子宮頸ガン)の新規患者が発生し、そのうち24002500人(1日に7人)の人が死亡しています。 
日本では20歳代後半から
30
歳代前半に急増していて、出産時期と重なるため”マザーキラー”と言われています。

また、仮に死亡しなくても、子宮摘出などにより生殖機能は失われてしまいます。

 子宮頸がんの発症には
ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが深く関与して
いることがわかっています。 全体で約100種類以上あるHPVの中で子宮頸がんの発症に関係するのは15種類ほどで、
”発がん性HPVと呼ばれています。 特に16型と18の発ガン性HPVは、日本の場合、子宮頸がん患者の約60%に検出され、2030歳代に関していえば約80%に検出されています。
 発ガン性HPVは性交渉によって感染しますが、ほとんどは一過性の感染で自然に排除されます。  しかし、一部のケースで自然治癒されず、数年から数十年をかけてがん化していくと考えられています。 また、発がん性
HPVは性交経験のある女性の約80%
一生のうちに一度は感染するといわれるほどありふれたウイルスであるため、
子宮頸
がんは女性であればだれでも起こりうる病気
といえます。 

子宮頸がん予防ワクチン(商品名:サーバリックス)は、発ガン性HPVの中で最も検出頻度の高い
16/18型の2種類のウイルス感染を防ぐワクチンです。 3回接種することで、
自然感染と比較して十分高い抗体価(=防御力)が少なくとも20年以上維持されると
されています。  
接種は10歳から可能で、40歳くらいまでは接種による十分なメリット
がある
とされていますので、現在20歳代、30歳代のお母さん達にも接種を検討される
ことをお勧めします。 10代前半の女児に関しては、将来的に公費接種(=無料接種)と
なる可能性もありますので、今すぐに接種せず、数年様子を見られても良いと思います
が、性交渉を経験する前に接種をすませておくことが、将来の発症を防ぐ意味でより
重要であるため、現在高校生前後のお子様には接種を検討されることをお勧めします。

詳しくは  
サーバリックスのホームページ allwomen.jp  へアクセスして下さい。