コロナ前の普通の生活に戻りましょう!    2023年5月28日

5月8日から新型コロナウイルスの扱いが、ようやく季節性インフルエンザウイルスと
同等の5類相当に変更されました。 この3年間は私たちにとって、とても苦しく、辛い
3年間で、この間に失ったもの、経験できなかったことは数えきれないくらいあります。
私たちはこれからそれらを取り戻していかなければなりません。 
そのために、この3年間を振り返り、知識の整理をしたいと思います。 


―新型コロナウイルスについてー

新型コロナウイルス発生当初は、病原性も強く、世界中で多数の死者を出しました。 
その後、新型コロナウイルスは変異を繰り返す過程で感染力が強く、拡がりやすく
なりましたが、反対に病原性は徐々に低下していきました。 現在はオミクロン株の
亜型が主流ですが、死亡者、重症者は激減し、その危険度は季節性インフルエンザと
同等となりました。 今後は、新型コロナウイルスもインフルエンザウイルスと同じ
“季節性のかぜ”として、毎年流行し、時には高い病原性を持つものに変異する可能性も
否定はできませんが、少なくとも、現時点では“普通のかぜになった”と考えるのが
妥当だと思われます。


―新型コロナウイルス感染後の後遺症についてー

新型コロナウイルス感染後の後遺症には様々な症状があるようですが、中には本当に
後遺症として扱って良いのか疑問に思えるものもあり、慎重な判断が必要です。 
最近、“新型コロナウイルス感染1年後の時点で30%の人に何らかの後遺症が認められる・・・“といったニュースがありました。 
当院は、この3年間で(私自身を含めて)約500例の新型コロナウイルス患者を診察し、
経過観察してきました。 そのうち、成人2例で、新型コロナウイルス感染後に倦怠感等が
続く、後遺症と考えられる症例を経験しましたが、それ以外の方は、感染後の後遺症もなく
元気です。 皆さんの周りでも新型コロナに罹った人が10人はいると思いますが、
そのうちの3人に後遺症があるのでしょうか? 報道されていることが必ずしも正しいとは
限りませんし、このような研究は、統計の取り方によっては全く正反対の結論を出すことも
可能です。 現在の新型コロナウイルスが本当に私たちにとって、脅威となるものなのか
どうか・・・、報道されていることを鵜呑みにせず、自分の頭で考えましょう。 
皆さん自身の経験、肌感覚が正しいと私は考えます。


―新型コロナウイルスワクチンについてー

新型コロナウイルスに対する切り札として、mRNAという手法で作成された人類初のワクチン
が緊急承認され、当初は高齢者を中心に劇的な効果を発揮し、死亡者や重症者の軽減に
多大な貢献をしました。 ところが、ウイルスの変異に伴い、当初のワクチンの効果は徐々に
低下し、政府の提言は、“ワクチンを2回接種すれば感染を防げます”から、“2回では不十分
なので、3回目、4回目の接種が必要です”となり、さらには“感染予防効果はあまりないが、
重症化を防ぐ効果はあります“となり、最近では、コロナ感染後の死亡者、重症者が激減した
現状を反映して、”ワクチン接種した方が後遺症のリスクが低くなります“と、その時々の状況
に都合の良いように変わってきました。 新型コロナワクチンは、3年前の緊急事態を
乗り切るために、あくまでも、緊急避難として、十分な検証をされることなく認可された
ワクチンです。 政府、専門家は、当初から“安全性には問題がない・・・”と主張して
きましたが、ワクチン接種が始まった3年前の時点では、長期的な有効性、問題点が
はっきりしていたわけではなく、ごく少数の限られた対象に接種したデータしかない状態
だったはずです。
そして、現在、“安全性に重大な問題は認められない・・・”という評価になっているのは、
この3年間に全世界で“新しいワクチンの接種”という壮大な人体実験をおこなった結果、“
短期的には”重大な問題は認められない・・・という評価となっているだけであり、たかだか
3年間の使用経験しかないワクチンであるという現実は変わりません。 また、“重大な問題
は認められない・・・”という評価には、信憑性に欠ける点があり、実際、ワクチン接種の
関与が否定できないと考えられる死亡例、後遺症発生例は、全国で多数報告されて
いますが、そのような症例は、“ワクチンとの関連性は不明・・・”という一言で片付けられて、
真剣に検討されていません。
感染が落ち着いている今こそ、ワクチンは本当にどのくらいの効果があったのか、ワクチン
接種による問題は本当にないのか、現在の状況(死亡、重症者が少ない状況)でもワクチン
接種が必要なのか、ワクチンで感染後の後遺症リスクを少なくすることができるのか・・・と
いった点をきちんと検証した上で、今後のワクチン接種の方向性を決めなければならない
のに、これらの検証がきちんとされた形跡はありません。 “また病原性の強い型に変化する
かもしれないから・・・”という、根拠に乏しい理由のみをもとに国民の不安をあおり、
ワクチン接種を継続することは許されることではないと思います。


―マスク、手指消毒についてー

当初、新型コロナウイルスは飛沫感染、接触感染するとされ、マスク、手指消毒、
パーテションの設置等が感染防止に有効な手段とされてきました。 現在は、主な感染経路
は空気感染(エアロゾル感染)であると考えられているので、手指消毒、パーテションの
感染予防効果は極めて限定的です。 空気感染するウイルスは、N95という医療用の
特殊マスクでない限り、繊維の網目や顔との隙間から容易に侵入するので、通常のマスク
ではウイルスの侵入を防ぐことはできません。 さらに、もともと十分な換気状態と
考えられる屋外や密室状態となっていない施設では、ウイルスは拡散し、極めて低濃度の
状態で存在するので、マスクを着用しなくても感染の可能性はほとんどありません。 
そもそもマスクは、感染者(あるいは感染の可能性がある人)が他人に感染させないように
するものであり、自分への感染を防ぐものではありません。 政府、専門家はいまだに
これらの対応を“効果がある”として強く勧めていますが、もし本当に効果があったのなら、
国民のほぼ全員がマスクをし、こまめに手指消毒をしていた日本でこれほどまでに
新型コロナウイルスは拡がらなかったでしょう。
子供が不必要なマスク着用を継続する事には、熱中症のリスク増大、心肺機能に対する
悪影響、コミュニケーション能力獲得への悪影響など、多くのデメリットが考えられますが、
逆にメリットはほとんどありません。
マスクをするかどうかは個人の自由ですが、“周りのみんながしているから・・・”といった、
日本人に特有の横並び感覚を優先して、感染予防に効果のないことを惰性で続け、子供たち
に不要なマスク着用を強要することはあってはならない事です。
これから熱中症が多くなる時期となります。 少なくとも、子供たちには不要なマスクは
使用しないように、まず、大人が率先して行動すべきです。 
マスクや消毒のあり方について、皆さんもう一度よく考えていただければと思います。 
当院では、今後はスタッフ、および受診される皆様に対してのマスク着用は原則として
不要とさせていただきますが、咳やくしゃみなどの症状がある場合は“咳エチケット”として
適宜マスクを着用して頂くようお願いいたします。


―普通の生活に戻りましょうー

今回の新型コロナウイルスに対しての政府、専門家の意見は、その時々の状況で都合よく
変えられ、報道機関も自社の考えに沿ったものだけを報道し、異なった意見に関しては
あえて報道してきませんでした。 新型コロナウイルスに関しては、まだ分からないことも
数多くあり、無条件に安心して良いわけではありませんが、発生から3年が経過し、それでも
いろいろなことが判明し、少なくとも現時点では過剰な心配は不要なウイルスになったと
考えられます。 どんな病気、感染症でも重症化や、死亡に至る可能性はあり、それをゼロに
することはできませんし、目に見えないウイルスを完全に排除することは不可能です。 
私たちはこのウイルスと今後共存していかなければなりません。 
いつまでも、誇張されたコロナの影に必要以上に怯え、これ以上、大切なものを失うことは
あってはならないことだと思います。  政府、専門家、報道機関などの不安をあおる情報
のみをそのまま鵜呑みにせず、自分で情報を集め、自分の頭で考えましょう。 
そして、今こそ勇気を出して普通の生活に戻りましょう。
                 


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