最近、ニュースでもよく耳にすることがあると思いますが、百日咳が全国的に大流行
していて、当院でも百日咳と診断する患者さんが毎日必ず数人はいるという状況と
なっています。

百日咳に感染すると、年長児、成人でも肺炎になって咳が長期間に渡り持続して
日常生活に支障が出ることがありますし、低年齢の乳児が感染すると、
無呼吸発作、呼吸停止を起こして死亡する可能性もあります。 
ニュースにもなりましたが、この4月には、百日咳に罹患した生後1ヶ月の乳児が
お亡くなりになるという痛ましい事例もありました。

百日咳に対応するワクチンとしては、3種混合、4種混合、5種混合ワクチンが
ありますが、
ワクチンの効果が不十分な生後6ヶ月までの乳児や、ワクチンの効果が
減少する就学前の幼児(年長さん)以降の年齢では、百日咳に感染する可能性が
高くなります。

日本では初回接種として生後2ヶ月から3回、1年後に追加で1回の計4回が公費と
して無料で接種できますが、それ以降は接種機会がありません。一方、米国などで
は就学前に
1回、1112歳にもう1回の、計6回、百日咳に対応するワクチンが公費
接種となっています。 これらの背景をもとに、日本小児科学会は、就学前の幼児期
(年長)で1回、1112歳で、2種混合ワクチンの代わりに1回、計2回の3種混合
ワクチン追加接種(任意接種=自費接種)を推奨しています。

今年は、例年では見られなかったレベルで百日咳にかかる患者さんが急増して
います。
さらに、今問題となっているのは、現在流行中の百日咳は、かなりの割合で
耐性菌(従来の抗生剤が効きにくい)が検出されているという現状です。

これらの状況を考え、当院では3種混合ワクチンの任意接種をおこなっています。

特に生後1歳未満の乳児がいらっしゃるご家庭の場合、ご兄弟・ご両親など、年齢に
よっては3種混合ワクチンの追加接種をして、極力家庭内に百日咳を持ち込まない
ようにするのは有効な手段となりますので、有料とはなりますが、接種をご検討
されることをお勧め
します。

接種は年長さんから成人まで可能で、接種回数は年齢・ワクチン接種歴によって
12回と
なります。また、1112歳の学童は、2種混合の代わりに3種混合ワクチンを任意接種することが可能ですので、ご希望の方はスタッフまでご相談ください。


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