キッズクリニックうめはら

現在、全国的に”風しん”が大流行
しています。 風しんは発熱ととも
に全身に発疹が出現するウイルス性
の感染症で、俗に”三日ばしか”と
呼ばれている病気です。 

数十年前までは、学童を中心に流行
していましたが、風しんワクチンの
導入に伴い、近年はあまり目にする
ことがありませんでした。
ところが、昨年度から大人を中心と
して全国的な流行が始まり、特に
今年は、異常なペースで患者が報告
されています。 これは、一時期、
風しんワクチン接種が任意接種で、
定期接種ではなかったため、
風しんワクチンを受けずに成人と
なった人が非常に多くなっていると
いうことと、過去に風しんワクチン
を1回受けていても、免疫が十分に
つかなかった、あるいは年月が経過
するに伴い、その効果が減少した
ことが原因であると考えられます。
特に昭和54年4月2日〜平成7年4月1
日生まれの男女は風しんワクチンの摂取率が低く、昭和54年4月1日以前
生まれの男性に至っては、子供の頃
に風しんワクチン定期接種のチャン
スがなかったため、今回の爆発的な
流行で風しんにかかる可能性が高い
と考えられています。

風しんにかかると、最悪の場合は
脳炎を起こすこともあるので、大人
自身も注意が必要ですが、もっと注
意しなければならないのは、妊婦、
特に妊娠初期の女性が風しんにかか
ると、生まれてくる赤ちゃんが
「先天性風しん症候群」という病気
になる可能性があるという点です。
先天性風しん症候群とは、生まれて
くる赤ちゃんの耳が聞こえなかった
り、目が見えにくくなったり、心臓
に病気が発生したりする病気のこと
です。
これから生まれてくる赤ちゃんを
先天性風しん症候群から守るために
は、まわりの大人が風しんワクチン
を接種して流行を防ぐしかありませ
ん。


@妊娠前の女性(特に10代後半
 から30代)
A成人男性で、風しんにかかった
 ことがない方、風しんワクチンを
 受けていない方、あるいはどちら
 も不明な方
B妊娠中の女性の家族


以上の方々については、風しんワク
チンの接種をご検討されることを
お勧めします。


現在、風しん単独ワクチンは入手困難となっていますが、麻しん・風しん混合(MR)ワクチンは入手可能です
。 麻しんも、毎年小規模な流行が
あり、かかった場合非常に重症化し
やすいため、風しん単独ワクチンよ
り多少割高にはなりますが、MRワク
チンの接種をお勧めします。 風し
ん、または麻しんににかかったこと
がある人、過去にワクチン接種を受
けたことがある人が、今回ワクチン
接種しても、特に問題はあり
ません。 ワクチン接種に関しては
、かかりつけの内科、産科等にご相
談ください。
また、当院でも接種可能ですので、
希望される方はスタッフまでご相談
ください。

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