前回は、“市販薬では風邪は治らない”というお話をしました。 では、病院で処方される薬はどうなのでしょうか? 風邪(発熱、咳、鼻水など)の時に病院で処方されるお薬には大きく分けると3種類あります。 一つは“抗生物質”、一つは“解熱剤”、そしてもう一つが
咳、鼻水などの諸症状を緩和する薬”です。 この中で唯一、病気を治す作用を持って
いるのが“抗生物質”です。 高熱の時に解熱剤を使用すると、多少熱は下がり、本人も少し楽になりますが、病気が治るわけではありません。 薬の効果が切れる2〜3時間後には
再び熱が高くなる傾向があります。 解熱剤の多用による副作用、熱性けいれんの誘発
などを防止するためにも、高熱でも本人の元気がよいときはなるべく使用しないように
することが重要です。 また同様に、“症状を緩和する薬”も病気を治す効果はありませんが、風邪の諸症状を緩和し、本人の不快感を軽減する効果はあります。 これらのお薬は、基本的には市販薬と成分は変わりませんが、病院で処方を受けた場合は、風邪の症状や
体重に応じて細かい調整ができるというメリットがあります。 いずれにしても、この“症状を緩和する薬”も、症状が非常に軽い場合は、使用せずに様子を見る場合もありますし、
症状が改善し、安定してきたら中止し、不必要な長期投与は避けた方がいいでしょう。
 
それでは、風邪をひいたときは必ず“抗生剤”を飲まないと良くならないのでしょうか? 次回は抗生剤の使用に関してお話しします。

風邪とお薬A