新型インフルエンザについて

 20095月に国内で初の新型インフルエンザが発生して以来、現在もその流行は
続いています。 今回の新型インフルエンザウイルスは、今まで誰一人過去に感染した
ことのないウイルスであるため、この様な大流行がおこっているのであり、この
ウイルスがいったん世界中に広がらない限り、その勢いがおさまることはないと
思われます。
 テレビや新聞では連日のように新型インフルエンザによると思われる死亡例が報告
されていて、皆さんはとても心配されていると思いますが、マスコミは死亡例・重症例などの特殊な症例を強調して報道する傾向があります。 毎年、季節性のインフル
エンザでも多数の死亡例はあるのですが、いちいち報道されないためみなさんが
知らないだけなのです。 かたよった情報のみを信じてパニックにならず、冷静に対応
していくことが必要です。

 発生当初は、その特徴(死亡率、合併症など)がはっきりしなかったため、専門家で
ある医療関係者さえも かなり警戒し、過剰な対応が続いていましたが、現在、国内で
1,000万人がすでに新型インフルエンザに かかっている状況(そのうち死亡者は
100人)となり、少しずつその特徴が判明してきました。
 
 現在までにわかっている新型インフルエンザの特徴を整理してみましょう。

 @死亡率は0.001%(新型インフルエンザ患者10万人に対して1)で季節性と
  同程度、あるいは季節性より低いと考えられる

 A乳幼児、学童、青年層に多く発症し、中年層以降では比較的発生が少ない
 
B発熱、全身症状などは例年のインフルエンザより軽い傾向がある
 
C発症早期に呼吸困難などの呼吸障害をおこすケースが例年より多い
 
D脳炎、脳症も発生しているが、現時点では例年より頻度が高いかどうかは不明
 E現時点ではタミフル、リレンザなどの抗ウイルス薬は有効とされているが早期
  投与されても死亡する例もあり、その効果、必要性に関してははっきりしていない

現在、新型インフルエンザにかかった人たちの大部分は何の問題もなく元気になって
いますが、今後、新型インフルエンザの患者数が増えるに従いもっといろいろなことが判明し、新型インフルエンザに対する重症度の認識が変わってくることもあると思い
ます。 現実問題として、新型インフルエンザにかかった人たちの中で死亡例、重症例
もあるわけで、引き続き十分に警戒しなければいけませんが、必要以上に恐れて
パニックになることのないようにしましょう。